21世紀への階段(1960年・科学技術庁)の予測は当たった? 改札・津波・原子力船・核融合のいま
このページの公開: / 最終更新: / 書いた人:トゥモローノート編集部

この回のまとめ
1960年、科学技術庁が監修した『21世紀への階段』は、40年後の日本の科学技術を各分野の研究者が描いた本です。切符を切る人のいない改札や津波の予報は形になりましたが、原子力船は広まらず、核融合の発電もまだ実証の前です。
現実になった1近いものはある1まだ開発の途中1現実にならなかった1
- 本(国の予測)
- 21世紀への階段(科学技術庁 監修)
- 作られた年
- 1960年
- 描いた未来の年
- 40年後(2000年ごろ)
- 確かめた日
作品・記録についての出典:
- 21世紀への階段 第1部(科学技術庁 監修・弘文堂・1960)(国立国会図書館)
- 科学のおすすめ本 復刻版「21世紀への階段 40年後の日本の科学技術」(予測の中身の紹介)(科学技術振興機構(JST)サイエンスポータル)
描かれた未来と、いまの現実
-
現実になった切符切りのいない改札
描かれた未来
駅の改札で切符を切る係の人がいなくなる。
いまの現実
2013年3月23日に全国10種類の交通系ICカードの相互利用が始まり、1枚のカードで乗れる範囲が大きく広がりました。地方には、交通系ICカードがまだ使えない地域もあります(国土交通省)。
- 交通系ICカードの普及・利便性拡大に向けた取組(国土交通省)

イメージ画像(AI で作成)。係の人がいない自動改札のイメージ -
近いものはある津波を前もって知る
描かれた未来
津波を前もって知ることができるようになる。
いまの現実
気象庁は、地震が起きてから約3分を目標に、津波警報や津波注意報を出しています(国土交通省)。一方で、いつ・どこで・どれくらいの地震が起きるかを前もって知る「地震予知」は、いまの科学技術では一般的に難しいと考えられています(地震調査研究推進本部)。
- 津波の発生を知るにはどうすればいいの?(国土交通省)
- よくある質問(地震予知について)(地震調査研究推進本部(文部科学省))
-
現実にならなかった原子力船の普及
描かれた未来
原子力で動く船が広く使われるようになる。
いまの現実
日本の原子力第1船「むつ」は1992年2月に実験航海を終えました(原子力委員会)。原子炉は2006年10月20日に廃止措置計画の認可を受け、取り外した原子炉室はむつ科学技術館で展示されています(日本原子力研究開発機構)。
- 第6回 原子力委員会臨時会議 議事録(原子力船「むつ」の実験航海の結果について)(原子力委員会・1992-02-07)
- 青森センターの活動(原子力第1船原子炉の廃止措置・むつ科学技術館)(日本原子力研究開発機構)
-
まだ開発の途中核融合の発電
描かれた未来
核融合で発電できるようになり、燃料の心配がなくなる。
いまの現実
国は2025年6月4日に改定した戦略で、「世界に先駆けた2030年代の発電実証」を目指すとしています(内閣府)。核融合での発電は、まだ実証の前の段階です。
- フュージョンエネルギー・イノベーション戦略(令和7年6月4日 改定)(内閣府・2025-06-04)

イメージ画像(AI で作成)。核融合の実験装置の内側のイメージ(手書き風)
- 現実になった描かれた形に近いものが、いま実際にある
- 近いものはある近いものはあるが、描かれたとおりではない(形が変わった・一部だけ)
- 別の道に進んだ描かれた方向ではなく、別のやり方・別の目的に開発の舵が切られた
- まだ開発の途中研究や試作の段階で、売り物やだれでも使える形にはなっていない
- 現実にならなかった描かれたとおりにはなっていない
この作品を見る
PRここには広告(アフィリエイトリンク)を含みます。リンク先で購入されると、トゥモローノートに紹介料が入ることがあります。
「実際に形になったもの(公式)」の動画とページは、作った会社の公式のもので、トゥモローノートは広告料を受け取っていません。作品はフィクションです。作品の中で描かれた未来は短くまとめたもので、本文では作品の画像やセリフは使っていません(「この作品を見る」の商品の画像は楽天ブックスのものです)。いまの現実は、公式の資料(上の出典)をもとに書いています。判定は編集部の見立てで、新しい発表があれば直します。
ほかの「過去の未来」
この記事について聞く
よくある質問に、この記事に書いてあることだけで答えます。
どれくらい当たったの?
この記事で見た4つのうち、切符切りのいない改札は「現実になった」、津波を前もって知るは「近いものはある」、核融合の発電は「まだ開発の途中」、原子力船の普及は「現実にならなかった」です。
どんな本?
1960年に科学技術庁が監修した『21世紀への階段』で、40年後の日本の科学技術を各分野の研究者が描いた本です。
核融合の発電はいつできるの?
国は2025年6月4日に改定した戦略で、「世界に先駆けた2030年代の発電実証」を目指すとしています(内閣府)。まだ実証の前の段階です。
地震も予知できるの?
津波は、気象庁が地震が起きてから約3分を目標に警報や注意報を出しています。一方で「地震予知」は、いまの科学技術では一般的に難しいと考えられています(地震調査研究推進本部)。
原子力船はどうなったの?
日本の原子力第1船「むつ」は1992年2月に実験航海を終えました。取り外した原子炉室は、むつ科学技術館で展示されています。
改札はどう変わったの?
2013年3月23日に全国10種類の交通系ICカードの相互利用が始まりました。地方には、交通系ICカードがまだ使えない地域もあります(国土交通省)。